入庫促進コールの徹底

入庫台数を一台でも多くする活動には、対象客によって色々ある。管理客=既取引客に対する活動の凡事として、車検到来客に対して多くの整備工場で「車検DM」の発送を行っているが、この凡事がどの程度徹底できているだろうか?

車検DMの凡事は、
 1.宛名が正確であるか
 2.住所および郵便番号が正確であるか
 3.車種名が正確であるか
 4.登録番号が正確であるか
 5.車検満了年月日が正確であるか
である。

以前TIO21ブログで、廃車したクルマ情報のまま車検DMを発送し、クレームになったとこに触れたが、上記の5項目が違っているとお客さまは不快に感じるだけでなく、訂正してほしいと苦情を申し出てくる場合もあるDigiprog III V4 94

上記の5つの凡事が不徹底ということは、ただ単に業務ミスというだけではなく、お客さまに対して無関心であり、DMの発送業務が管理の一環であることの理解不足がもたらす。

こうした業務は、ルーチンワーク(定型業務)で一旦業務要領を覚えてしまうと、その都度脳みそを働かすことなく自動的に業務処理をしがちだ。

しかし、それが命取りになり客離れの原因を自ら作ることになる。様々に苦労し、経費をかけてお客さまになっていただいた貴重な財産を、自らの凡ミスでドブに捨てることになる。悲しいことではないか。

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こうしたことにならないためには、日ごろから社員に、顧客は会社の貴重な財産であり、財産を失うことは経営を不安定にし、如いては減給を免れないことになることを、しっかりと教育しておく必要がある。

当然だが、顧客・車両情報のメンテナンスを確実に行う必要がある。誰が情報のメンテナンスを行うのか、いつ行うのか、行ったことを誰に報告するのか、こうした凡事のルールを決め、定期的にチェックをしていくことが大事だ。

特に凡ミスが起きやすいのは、担当者が何らかの理由で変わった場合である。引き継ぎとして業務ルールの説明はもちろんだが同時に、仕事の「目的」と「結果」が何か、これを怠るとどういうことが「起きるか」、こうしたことも引き継ぎ事項に含めて行うことだ。

いやいや、こうしたことの方が仕事のやり方の引き継ぎ以上に大事なことである。ここを怠ると前述のような、クレームになるのだ。

私は、こうしたことが確実に行われるために、車検リストに基づいて「顧客吟味会議」を開催することを勧めている。これは、工場長、フロント担当者全員(アシスタントも含め)、営業マンが集合しリスト一件ごとに、顧客・車両情報の確認、車検提案or代替提案の振り分けをしていくのだ。時には、抹消するかを判断する場合もある。

車検DMには、上記の5つの凡事のほかに以下の凡事がある。
 6.DMの作成期日
 7.DMの発送期日
 8.発送後のTELコール実施期日
 9.TELコール担当者決め
 10.戻りDMの処理
がある。

管理客の入庫台数を決めるのは、車検DMではない。車検DMは、お知らせであり、啓発に過ぎない自動車診断機

入庫が決まるのは「TELコール」である。この証を一つ紹介する。先日ある工場で入庫台数が増えた理由を聞いたところ、このTELコールを漏れなく行ったことだという。

ある整備工場では、このTELコールを徹底するために、今までフロントで行っていた活動を、アウトソーシングした。コール専門職を人材派遣会社から人材を求め、毎日夕方6時から2時間コールを担当させている。

これによって、着実に入庫台数が増えている。副産物として代替の相談などの情報収集ができ、車両販売にもプラスになっている。それなりの費用も掛かるが、凡事の徹底にはこれほど確かなことはない。

つまり、目が飛び出るような特別なことを行ったのではなく、私の指導を飽きずに繰り返し地道に行った結果だと、笑顔で話してくれたのだ。

入庫台数を増やすために、ついつい「基本料金」のことや「割引項目・金額」のことなど価格競争に目が行きがちだが、むしろ凡事が徹底できているかによることの方が大きいのだ。

確かに、価格で動くお客もいるが、全体でみれば2割以下である。後の8割は価格以外のところで動く。それは、特別な要件ではなく、DM発送後のTELコールが徹底できているかだ。

 

 

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