OBD2と自動車の関係

最近のエンジンはコンピュータで制御されているのだから車載コンピュータと通信してチェックするのがもっとも効率が良いのであるが、従来は点検用コネクターや通信プロトコルが各社で違った為に専用のOBD2診断機を必要とした。

OBD2では点検用コネクターと通信プロトコルを標準化したので汎用の診断機の診断を可能とした。

アメリカでは1996年以降生産される車に義務つけられ現在に至っている。

もちろんアメリカで販売されている日本車もOBD2に準じている。

これによって使用過程にある自動車の点検、検査が容易になり車本来の環境性能が発揮されているわけであるが、これはアメリカの場合である。

しかも通信プロトコルはビッグ3のそれぞれのものがグローバルスタンダードとなってしまった。

アメリカより10年以上の遅れ さて日本では2002年ごろから点検用コネクターが付くようになった。

16ピンのOBD2の規格であるが、問題は通信プロトコルが独自のものが許されていることだ。

国土交通省の告示によると何と、新型車については平成20年から、生産継続車については平成22年からOBD2を義務付けるそうだ。

ちなみに国土交通省に言わせるとOBD2は「高度な車載式車両診断装置」と言うそうだ。

「いくら高度な装置であれど付けなければ機能しない」と私は国土交通省の脳みそが腐ったやつらに教えてあげたい。

義務化しなかったのは国土交通省なのだから。

ちなみに中国では2006年12月からobdシステムが付いていない新車の販売を禁止、韓国では2007年1月から同様に禁止されるなど国際的にはほぼ標準化を終えている。

日本車の魅力も半減させた 日本車の性能や生産技術が優れていることは世界中で認められていることだろう。

しかし、性能が優れているだけ商業的に成功するとは限らない。

例えばかつてのVHS対ベータのビデオ戦争でも性能の優れるベータに対しVHSはソフトの充実で勝利した。

車においてもすでに家電化していると言われて久しいが、規格を満たしていない商品は汎用品が使えないために魅力は半減する。

実はOBD2を利用した製品は自動車故障診断機だけにとどまらずさまざまなものが販売されている。

その一つカーチップは速度をはじめとする走行中の5つのデータを300時間記録しパソコン上にグラフ化して表示できる。

元々は10代のドライバーの運転を監視するために作られたものだが、社用車の管理や高齢者の運転の監視など用途はアイディアしだいで幅広く優れた製品である。

そのほかにも車の馬力やトルクを表示する製品もある。

いずれの製品もOBD2に準じていない自動車には使えないし、もちろんその他の安い汎用診断機も使えない。

今後もOBD2を利用したさまざまな機器が販売されるであろうが、それらを使えない車の魅力は半減する。

 

車電気テスター

Hitachi 故障診断機